和食器の「縁の下の力持ち」

器を支える


灼熱の窯の中で弱い器を支える

和食器のエンノシタ??? 何ソレ? 足の事?

なんて声が聞こえてきそうで

すが、足といえば脚(あし)なのかも知れません。

実は、皆様の目にふれない足があるのです。
昔は、私共のページでのご説明の至らなさで、まれに「裏に釉薬がついてない」「裏に傷みたいなのがある」なんてお声をいただく事がありました。

お持ちのお皿や平たい系の土物和食器をご覧になるとよくわかるのですが、必ずと言ってよいほど釉薬のついていない小さな点がいくつかあります。

これが皆様の目にふれない足の跡。(^^)|

ご存知の方も多いと思いますが、これ「道具土」「道具石」などと言われている土の跡なんです。

これまでも、何度かお話ししましたように、灼熱地獄?の窯の中では和食器も飴のようなフニャとした状態。 例えば朝顔型で平た~いお皿なんてべったりと棚板に沈んでしまう可能性があるのです。

大事な支えを担っている道具土

そこでこれを何とか支えて持ちこたえさせているのが「道具土」。

作り手は、長年の経験で、この角度だとこの位置でこの大きさで・・・なんて計算をしながら道具土を置いて(はさんで)いくわけです。この窯の中の予測もプロの大事な力量のひとつなんですね。

実際の道具土の風景はこちら↓
長皿の本来の4つの足の他に真ん中に3つの道具土を付けようとしています。
つまり彼はこの長皿は窯のなかで中央部分に沈む事を予測しているわけです。


本物の足とは別に付けていきます


窯詰めの際の風景です。お皿の側面に入れています。

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静かに消えゆくダンディな土


縁の下の力持ち的存在

しっかりと支える仕事をする道具土なのですが、和食器が窯から出てきたらお払い箱となるわけです。

もしこの道具土がなかったら、

長皿や大皿などへタレてしまうのです。

だから、

決して皆様の目には触れない

縁の下の力持ちなんです。

そして窯から出た後は、和食器の無事を見ながら取られ消え去るダンディな男子のような優しい縁の下の力持ちなのです。


織部たわみ長角皿

和食器は、裏が面白い

今お持ちの、またこれからお求めになる和食器で、平たいお品がありましたらぜひ、そんな力持ちの跡を探し楽しんでいただければ、和食器の楽しみも格段に高まる事でしょう。

そう・・・

手仕事の和食器は、釉薬の流れ、指の跡やこの道具土の跡など、裏にこそ見どころ満載なのであります。

今お持ちの、そして通販でお求めになるならなおさら裏まで味わっていただきたく思う店主なのであります。

窯の中で器を支え、一生を終える道具土・・・
器にはその記憶が残されているのです。